Nakahara Fukushima

PARCO_ya 3F, 4F

PARCO_ya UENO / nf.Design co.,ltd. | Nakahara・Fukushima
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PARCO_ya UENO / nf.Design co.,ltd. | Nakahara・Fukushima
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PARCO_ya 3F, 4F|パルコヤ:Public Space
PARCO_ya 1F, 2F
PARCO_ya 5F, 6F
2017. 11 / Ueno, Tokyo


  • 商店建築:2019年3月号に掲載

  • プロデュース:パルコ
  • 照明計画:パルコスペースシステムズ
  • サイン計画:藤村デザインスタジオ 藤村益生
  • 施工:竹中工務店
  • 撮影:Nacasa & Partners

商業施設でのフロア計画においては、共用通路とテナントとの関係性やリースラインの取り合いをどのようにコントロールするかがポイントの1つであると思う。統一デザインでまとめすぎてはテナントのカラーが薄れるし、リースラインの明快なスミ分けでは店舗に足を踏み入れづらい場合もある。そのバランスが重要であり難しいところでもある。今回は1Fから6Fまでの縦軸としての流れのなかで、各フロアごとの拠点やゾーン演出はもちろんのこと、共用通路とテナントとの関係性も意識してプランニングした。まず1Fに関しては訴求を促す統一デザインでまとめることにより、フロアの一体感を強調するようなグランドフロアらしいホールを演出しているが、2Fからの中層階に関しては共用通路とテナントとのバランスを少しづつ変化させて、テナントが引き立つような手法を試みている。2F以降エスカレーター周りの床を敢えて躯体あらわしのままにしているが、エスカレーター周りのみに限定した2Fに対して、3Fではそのボリュームを更に広範囲に拡張し、4Fに至っては一部テナント内まで拡張するほど、大半が躯体あらわしのままとなっている。これは何もしないのではなく、素の質感である躯体の量感を増すことでニュートラルな通路となり、あくまでテナントが主となり、テナント色が全面に出てくるように見せるためだ。また5Fに関しては更にテナント色を強調するため、共用通路の素材は幅140mmの床材と天井スリットのみで、テナント意匠の床と天井が共用通路まで張り出し、まるでテナントのみで構成されたようなフロア空間となっている。もはや共用通路を歩いているのかテナント内を歩いているのかわからなくなるような感覚に陥る。6Fのレストランフロアは路地で構成されたエリアとオープンなエリアの2つのゾーンで構成されているが、オープンエリアでは共用通路の床材とペンダント照明が、テナント内に入り込むような計画となっている。商業施設において共用部のデザインはもちろん大事ではあるが、テナントをどのように演出できるかはそれ以上に重要であると思う。今回の計画では共用通路とテナントのそれぞれの領域をオーバーラップさせて「客が体感(認識)する曖昧なリースライン」のエリアを各フロアに多く設定している。共用通路を歩いていると知らぬ間に店舗に足を踏み入れてるような「店と店とを渡り歩きながら楽しめる商業施設」そんな空間を試みた。